粟屋憲太郎著「東京裁判への道」


今年も終戦記念日という日がやってきました。
「東京裁判への道」粟屋憲太郎著、を読んでA級戦犯を裁くプロセスが少しわかった気がしました。
なんと言っても面白いのは、天皇の側近で内大臣だった木戸幸一の尋問記録。
木戸の取り調べは回数が多く、「昭和天皇平和論者」「パールハーバー奇襲攻撃を知らなかった説」等、「天皇」がどう利用され、戦争に関わったかを徹底的に追及されていて、調書を読むだけで、昭和天皇の矛盾点が浮かび上がります。
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「アンという名の少女」と「赤毛のアンの秘密」(小倉千加子)



NHK日曜日放送の「100日の郎君」が終わってから「アンという名の少女」が始まりました。
L.M.モンゴメリー好きの私としては、原作との違いも気になり視聴し始めたのですが、原作からユーモアを取り除き、リアルを追求したらこうなるのかという「ハード」なものになっていてちょっと驚きました。 “「アンという名の少女」と「赤毛のアンの秘密」(小倉千加子)” の続きを読む

カミュの「ペスト」を読みました


「ペスト」が今読まれているらしいです。
育ってくる過程の中で、読むべき100冊!、高校生必読100選、とか夏休みの文庫フェア!、そんなラインナップに必ず入っていた気がする「ペスト」、学校の図書館にも、街の本屋さんにも必ずありました。
避けて通って、手にも取ったことがなかったその「ペスト」、この騒ぎの中で思わず読んでみました。 “カミュの「ペスト」を読みました” の続きを読む

「マイ・サンシャイン」と「樅木は残った」~共通点を探してみた~


「樅木は残った」が頭に残っていて、なかなか次の本に行くことができません。
原田甲斐のお家(いえ)を救うためにありとあらゆる「一見した正義」に背を向ける強さ。
原田甲斐の本当の「正義」は、表には決して現れない「正義」だった。
それは、孤独でしかも「罪人」としてのそしりを未来永劫受け入れることを強いるもの、一家惨殺をも覚悟した正義でした。 “「マイ・サンシャイン」と「樅木は残った」~共通点を探してみた~” の続きを読む

「もつれた蜘蛛の巣」 ~L.M.モンゴメリの最高傑作かも!?~


どこも出かけなくなって、週末に本を読むことが多くなった気がします。
「赤毛のアン」「アンの青春」「アンの愛情」「風柳荘(ウィンディウィローズ)のアン」(これは「アンの幸福」という題だった)「アンをめぐる人々」を読み(すべて再読ですが)、アンが全く出てこない「もつれた蜘蛛の巣」を読み終わりました。 “「もつれた蜘蛛の巣」 ~L.M.モンゴメリの最高傑作かも!?~” の続きを読む

「赤毛のアン」~視点がマリラになる~


コロナウィルスの脅威が依然として取り払われません。

ということでやっぱりドラマ視聴三昧な日々ですが、気持ち的に楽しいものに惹かれるのが人の心というものなのでしょう。

朝ドラの「スカーレット」がちょっとつらい展開になってしまって(息子武志の病気)、脱落しそう。
3月の終盤にこの展開はキツイ。

そのドラマ三昧の中で、少しずつ読んでいるのが、松本侑子さん訳の「赤毛のアン」シリーズ。
「アンの青春」、「アンの愛情」です。
あの村岡花子が訳さなかった部分を入れて、「完訳」と銘打っているのが松本侑子訳です。 “「赤毛のアン」~視点がマリラになる~” の続きを読む

「本格小説」水村美苗 ~重厚で緻密、そしてエンターテイメント~

 

久々に長~い小説を読みました。
その名も「本格小説」、作者は水村美苗。
全く知らなかったのですが、2003年に読売文学賞をとった作品だったのです。
上下で1000ページ超える長編ですが、グイグイと引き込まれ、特に後編は一気読みになること請け合います。

あの有名なエミリー・ブロンテの「嵐が丘」の日本版、ということなのだそうですが、読んだことがなく比較することもできず、まっさらな状態で読めました。 “「本格小説」水村美苗 ~重厚で緻密、そしてエンターテイメント~” の続きを読む