ウッチャンの「紅白」


「紅白」が終わって10日もたってしまったけれど、やっぱりすごかったのはウッチャンこと内村光良でした。
立ったり座ったりでしっかりと視聴していたわけではなかったけど、あのコントンとした「カオス」をまとめ上げた最功労者はウッチャンだったと思います。

何よりすごいのは、「NHKなんで」のNHKゼネラル・エグゼクティブ・プレミアム・マーベラス・ディレクターの三津谷寛治に扮したり、かつての「ミル姉」に扮したり、DA PUMPの「U.S.A.」では一緒に踊ったりと(運動神経はバツグン)、八面六臂の大活躍。
「扮装する総合司会者」としてウッチャンが「紅白のコント」のなんとも背中がかゆくなるようないたたまれなさを回避し、(日本的な)「紅白」というエンターテイメントに押し上げた気がします。(いえ、昔から「紅白」はエンターテイメントでしたが)

ウッチャンがNHKとの相性がいいのは、「Life」のコント番組が成功しているというだけでなく、「素」の内村光良は、他のお笑い芸人と呼ばれる人たちとは違う「人当たりの良さ」による、そんな気がします。

この人は、他人の面白さを引き出すことが好き、なのだと思います。
天性の人の面白さを「面白がる」というキャラがこのごった煮の「紅白」を文字通り「まとめている」のだと視聴完了時に思いました。

例えば、たけしとかさんまとかダウンタウンには「鋭さ」という刃物が持つ一種の「冷徹さ」があるような気がします。
ダメな人には「冷徹なまなざし」を向けてしまう、要するに万人に温かい目を向けるウッチャンとは一線を画すのだと思うのです。
ウッチャンはその柔らかさの部分で、一般大衆に(なんとか)視聴してもらいたいNHK紅白とピッタリとはまるのです。

エッジの効いた発言がすぐにSNSで炎上するように、人の揶揄とか、ディフォルメとかがあっという間に拡散する現代に、リスクを取らない方法が一番だということを証明している、という気もします。

それとは別に、面白かったのが「敗者復活」というドラマ。
筋肉体操の武田真治、DA PUMPの「U.S.A.」、(審査委員席に座った)嫌われ芸人から一躍人気者になった出川哲朗。
武田真治もDA PUMPのISSAもある程度の歳での(武田真治43歳、ISSAは40歳)再ブレイク。
出川哲朗は54歳、なんかこんなこともあるんだなあ、という「大器晩成」という物語を見ている気もします。

その3人に共通することは、他者が向ける「あたたかな視線」。
武田真治は面白がられることを、DA PUMPは大衆的で耳障りの良い音楽を、出川哲朗はリアクション芸で。
やっぱりそれは「他者を傷つけないもの」でもあるし、体を使うという「一生懸命さ」、わかりやすいという共通項があるのです。
大衆が求める「面白さ」を体現し、成功したのです。
「理解できる」ってことは喜びにつながり、その喜びがさらに「人とつながる」、この構図はSNS社会の今だからより顕著になった気がします。

今年はどんなものが流行るのだろう?
米津玄師、あいみょん、刀剣乱舞等々、年の終わりにその年の復習ができる「紅白」はすごい!ってNHKの思惑にまんまとハマっています。