「愛の不時着」 ~6話偶然ではなく、運命~


エレベーターが閉まる直前にリ・ジョンヒョクが入ってきて、ク・スンジュン(キム・ジョンヒョン)とセリ(ソン・イェジン)の繋いでいた手を振り払い、スンジュンの腕をねじまげ、身分証を確認する。
スンジュンはなされるまま。

セリが「私のボディーガードが怒ると止めるのが難しい。MR.リー落ち着きなさい。彼を離して!」とジョンヒョクにスンジュンは知り合いだと説明。
しぶしぶスンジュンから離れるジョンヒョク。
ボディーガードという言葉に少々ムッとするジョンヒョク「監督監視だ」というのですが、歩きながらセリを守り人をよけたり、カートから庇ったり、まさにボディガード。

その後の部屋での会話はリ・ジョンヒョクの劇的変化を示したと思います。
盗聴器を見つけ、処分したのち、セリはジョンヒョクにスンジュンと帰るのはどうかと尋ねます。
「こんなところで出会うなんて。運命かも」と。

その言葉にひきつり、自分はどうなんだとセリにまくしたてるのです。それは偶然でしょう、というセリに、「空から落ちてきた君を捕まえた!逃亡した君を家の前で見つけた!」と。
これは完全愛の告白です。
「あなたは私の運命になりたいのね。いいわ」とセリ。

ダンオンマ(チャン・へジン)の迫力あるメークによって(?)結婚の日程が決まり、ジョンヒョクは受け入れます。
ダンを見送ったホテルの前で、セリとスンジュンが歩いているのを見つけ駆け付けるジョンヒョク。
結婚を受け入れた時の無表情のジョンヒョクとは違い、二人を見失うと、必死さが伝わるくらいの焦りを見せます。

スンジュンが去った後、「自分の視界にいてくれ。そうすれば絶対安全だ」とセリに言う。
あなたは無敵なのか、と問うセリに「負けた記憶がない」というジョンヒョク。
ジョンヒョクの負けず嫌いな一面の表出とどこかスンジュンに対抗している雰囲気を感じます。

この話から急速に事態は進展します。
セリの兄セヒョン(パク・ヒョンス)によって自分の身が危なくなったスンジュンはセリを北朝鮮にとどめ置くことで命を助けてもらうことになりました。
悪の根源チョルガン(オ・マンソク)がその協力に呼ばれ、セリの身分を知り、リ・ジョンヒョクを陥れる絶好のチャンスが到来したわけです。
セリは村のアジュンマ達にお別れを言い(多少もめたりもしたけど)、ジョンヒョクの部下たちとピクニックに行き、楽しい時間を過ごします。
ピョ・チス(ヤン・ギョンウォン)の詩は笑えて、ほろっとくるものでした。

村のアジュンマ達とジョンソクの部下4人組はいい味を出していました。
ナイスジョブ!!!全編を通じて、「北」を魅力的にした素敵な人達でした。

空港へ向かう朝、ジョンヒョクはセリを送らないと告げます。
「あなたはそうじゃないだろうけど、私はあなたを思い出す」と言うセリに「全てを忘れて自分の世界で幸せになって。ここでのことは悪夢だと思って欲しい」と言い、握手するために手を差し出します。
「最後だから抱きしめて欲しい」というセリにジョンヒョクは動きませんでした。

ところが、ジョンヒョクはセリを見守るために用意周到に武器を携えバイクに乗っていたのです。
ラストの華麗なヒョンビンのアクションはこの話のクライマックスです。

「本気で守るということは俺様感のない必死なのだ」(前出北原みのりさんの文章)
撃たれたジョンヒョクを抱くセリの「必死」も公平なのだと思いました。