「大奥最終章」と「女王陛下のお気に入り」



コスチューム劇(プレイ)と呼ばれるドラマが好きです。
まさしく「女王陛下のお気に入り」はそういったドラマでした。
考えてみると、あの17世紀に女性があれだけの権威と力を持っていたこと自体、すごいことだと思います。
なんだかんだで、イギリスの領土が広がった時代でもあったようです。
アン女王をWikipediaで検索すると、エリザベス・シーモアという女性が晩年まで友人だったようで、ちょっとホッとしました。(女王であっても、孤独はいけません)

で、先日放送された<フジテレビ開局60周年特別企画 大奥最終章>を早送りしながら(すいません)観たのですが、徳川吉宗がアン女王と世代がかぶっていることに気がつきました。
吉宗が(1684~1751)、アン女王は(1665~1714)国交があったわけではないので(日本は鎖国時代)、全くのつながりはないのですが。

大沢たかおが徳川吉宗役、妻のお久免の方を木村文乃。
時代が時代だけに大奥のバトルがあり、そのバトルは6代将軍・家宣の正室、天英院(鈴木保奈美)と側室で家継生母の月光院(小池栄子)との陰湿なものですが、木村文乃演じるお久免がいい人で、拍子抜けするくらいの軽いタッチでおばさん二人のいじめをかわしてゆきます。

木村文乃さん、下手ではないのだけど、ちょっと地味で、存在感を出せずに終わった感じがしました。
お久免さんがいい人で、そこそこきれいな木村文乃がそこそこの演技で演じて、鈴木保奈美と小池栄子のおばさんたちの意地悪をかわす、という話が今ひとつ盛り上がらなかった気がするのです。

大沢たかおは、あの「JIN-仁-」で演じたタイムトラベルをする医者と共通するイメージ、仕事はできるけど、女性に関することになるとどっちつかずの優柔不断な男、言い寄られるとことわりきれない男を見事に演じていたと思います。

ふら~と婚約者に先立たれた若き姫、竹姫さま(浜辺美波)に惹かれるさまは、上手かった。
おいおい、親子ほども歳が違う!というツッコミををよそに、ラブシーン的な場面もありました。
それにしても、大沢たかおがやっぱり年相応に見えるので(51歳)、いくらなんでも感が拭えなかった。
その前に月光院の小池栄子の誘惑はかわしたのに、10代のお姫様には惹かれるんかい!?というツッコミもしたくなった。(オバサンなので)

浜辺美波ちゃん、すごく演技が上手いわけではなかったけど、雰囲気がありました。
唯一の独身女性役で、華やかさがありました。(やっぱこの「華」は大事です)

「女王陛下のお気に入り」を思うと、大奥最終章は「(女の)バトルは正面からでなく頭脳でかわせ」的な教訓が透けて見えて、物足りない気がするのは、日本的解決が、「まあまあまあ」であることの証明である、と思いました。

まあ(シャレではない)、それも一つの解決方法でもあるのですが。

最近売れてきている岸井ゆきのさん(タキ)の体を張った将軍吉宗へのアタック、あれが一番のリアリティだった気がします。
(「華」も大事だけれど、「脇」の現実感も大事)