キム・ナムギル!!



「嵐活動停止」の衝撃を「善徳女王」のドラマで薄めています。

好きなモノが一つだけという「趣味」、生きがいがひとつだけという「life」、それって案外もろいものなのかも、ふとそう思いました。
「嵐活動停止」がどこか心に風が吹いている感じ、それを「善徳女王」の面白さが埋めているような気がしたのです。
これは「リスク回避」?

ともあれ、「善徳女王」のドラマとしてのクオリティーの高さに驚いています。
何より痛快なのは、男を脇にけちらしての政権争い。
ミシルに絶対服従なおじさん二人はミシルの夫と情夫。息子もいる。(それぞれに)

そしてトンマン王女に付き従う、ユシン(オム・テウン)とピダム(キム・ナムギル)
男子がみんな添え物!!!

まあなんといっても素敵なのは21話から登場した、ピダムを演じているナムギル。(しつこい)
この人を今まで全くノーチェックだったのが悔やまれるのですが、反対にこれから彼の作品をチェックする楽しみも大きいと思います。

21話で登場の時の衝撃!
一瞬あほちゃう?というテイで、瞬間すっと冷徹な笑みを浮かべ、そしてトンマン王女にウィンク、その次には、バッタバッタと人を斬る。
変幻自在に変わる表情筋のすごさ。

日本の俳優で言ったら誰あたりでしょう?
この方のセクシーさは、差し当たり「斎藤工」?(最近はお笑いもデキルマルチぶりだけど)
いや~、なかなか見当たらない。

ともかくセクシーだし、スタイルもいい、声も低くて柔らかくて心地良い響き。
端正で精悍なお顔だけれど、現実離れをした美男子ではなく、「何者にもなれるフツーさ」を持ったお顔。
時代劇も現代劇もこなせる「中庸さ」を感じます。

例えばイ・ミンホ、チ・チャンウクも時代劇を演じたのだけれど、ザ・主役のポジションでないと難しい。
ナムギルは、おそらく何でもできる、硬軟&主役・脇役・悪役、自由自在・変幻自在に演じることが出来る人だと思います。

後半の後半になって(残すところ5話)ピダムは自分の恋心をトンマンに打ち明けるも、なかなか受け入れてもらえない。ピダムが持つ権力欲への警戒心とそれでもピダムの手を取りたい気持ちがせめぎ合うトンマンの葛藤があったのです。

戦地に赴くユシンには我が身をなげうってでもトンマンのために国を守ろうとする絶対的忠心を持つが、ピダムは国よりも何よりもトンマンの心が欲しい。

父にも、母ミシルにも捨てられ、息子と呼ばれることなく死んでしまった。
師匠ムンノに尊敬と敬愛の念を抱き、ひたすら認められようと努力したけれど、ムンノの「厳しいまなざし」はときにはつらかった。
そんな過去を清算するかのようにトンマンには無条件に自分を受け入れて貰いたい。

乳母には愛されたけれど、自分の出自が呪われ、父母がある意味保身のために自分を捨てたことを知ったトンマンにはピダムの心が痛いほど分かるのです。

二人はどうなってしまうのでしょう。
納得するエンディングを期待しています。