「アナザーストーリーズ」でエリザベス女王の経営手腕について触れていましたが、驚くことに今や「英国王室」は国家予算を必要としないほど財政が潤っているようです。その稼ぎ頭はなんとチャールズ皇太子。(なかなかのやり手)
もともと英国王室はイギリスに膨大な土地を所有していて、その土地を有効活用しようとするのはすこぶる真っ当な思考です。
地味なイメージでしかなかったチャールズ皇太子がオーガニックの食品の会社を興していて、不動産にも着手し住宅を販売していて成功しているなんて全く知らなかった。
バッキンガム宮殿の公開に踏み切り、その見学料から得る収入の膨大な財源確保ができた、その決断を女王がしたというその分岐点は、番組冒頭の「ロンドンオリンピック」の演出でエリザベス女王がジェームズ・ボンド役のダニエル・クレイグと共演した「0007」につながります。
出演料があったかどうかは定かではないのですが(おそらくゼロ)、「威厳」を備えていて素晴らしいパフォーマンスだったと思います。(なんでもやる)イギリス王室恐るべし!です。
NHKの「知恵の泉」で『織田信長は経済力で天下を勝ち取った』という視点で信長の戦略を解説していたのだけれど、『経済力と軍事力が国を治める』というシンプルなセオリーが「イギリス王室」にも通じるのではないか、と思いました。何より「経済の安定が民の評価」になるわけです。
「軍事」で言えば、エリザベス2世は第二次世界大戦中、軍に所属し「軍用車の整備」もしたとか。
やはりもともとは『ソルジャーの血』です。
勝ち取って君臨した王の座を受け継いだ人達、何かを掴む、獲得する、運営する、そんなことにも長けているのではないか、と。
名もない「織田家」がその経済力で天下統一の一歩手前までいった、イギリス国民から「王室廃止論」がまことしやかにささやかれていたイギリス王室が国家予算を必要とせずに自立するまでの経済力をつけた、ゼロからの逆転劇は共通するものがある気がします。
そして、「血」こそつながってはいないのですが、「ヘンリー8世」の自らの結婚のためにバチカンと決裂し、「イギリス国教会」を設立した歴史。
「離婚」は宗教上タブーと言われながらも、自分の愛を第一に考える「王室の歴史」を受け継いでいるのでは、とも思えます。
そもそもエリザベス女王の父は兄の「不倫愛」がなければ、女王になることもなかった、という「家族の歴史」にもつながります。
ヘンリー8世の「結婚4回」の後には、エリザベス1世が「ヴァージンクウィーン」として45年間統治しました。
伯父の退位、実妹・実子の不倫と再婚を経験しながら、「在位66年」を貫くエリザベス2世、二人の共通点は『威厳・辛抱強さ』なのだと思います。
「戴冠式のとき、お子様は何をしていたのですか?」という質問に「知るもんですか。私は王冠を受けるのに忙しかったのだから」という答えには、「女王の責務」を感じずにはいられません。
母の責務よりもずっと重い「女王としての責任」、「国の安寧」「国家の経済」を優先に考え、『家庭の混乱は時が解決する』と腹をくくっていたのではないか、と思うのです。
最後に必要なのは『精神力』ではないでしょうか。
やっぱりそれは、「王冠を被る者その重さに耐えろ」の一文に集約されるのです。