半分青い ~どうゆうエンディングになるのだろう?~


NHK朝のテレビ小説「半分青い」がいよいよ9月で終了します。相変わらずのテキトー視聴だけれど、エンディングに向けての方向が何もわからない、というのはなかなか見ていて面白いものがあります。
一部ヒロイン鈴愛(すずめ)のやりたい放題・言いたい放題に非難のコメントがあるようですが、ものすごくいい子でないヒロイン、というのは画期的ではないでしょうか。

鈴愛には「消去法」はない、とブッチャーこと龍之介が言っていた通り、「好きに生きる」という不文律があって、周りを巻き込みながら「自分の道」を進む、という結構難易度の高い生き方をしている気がします。

高校卒業時どこも就職先が決まらないことを心配したおじいちゃんがこっそり「就職先」を用意するも、突然の「漫画家」を目指しドタキャン。
なんだかんだで有名な漫画家秋風羽織を巻き込み、秋風がなんとか漫画を鈴愛に続けさせようとするけれど、「才能」の無さを自分で知り、「才能のある先生には私の気持ちはわからない!」と逆切れ的に漫画家を辞める。

100円ショップで働いた先で涼ちゃんと出会い、電撃結婚。
子どもを授かるも、涼ちゃんが「映画監督」を目指し、「退路を断つ」で離婚。(これは涼ちゃんの「勝手さ」でしたが、でも「涼ちゃん」は鈴愛の「挫折」を代わりに乗り越えたという、ある意味「鈴愛の願望」を果たした、そんな気がしました)

そして、突然の帰省。
実家に頼る気満々で、しかも弟君の「かつ丼」がヒットしていて母が貯めていたお金を無心、「カフェ」を立ち上げる。

今度は娘カンちゃんが「スケートをしたい」という希望に再びの「上京」を決意する、という今日までのストーリーです。

言ってみれば、かなり「衝動的」で、一度火がつくとその目標めがけて突き進む。

ここで、面白いのは、必ず「何かきっかけ」があること。
秋風羽織との出会いは、「ファンミーティング」でおじいちゃんの「五平餅」をいたく秋風羽織が気に入ったこと。

「せんきちカフェ」は弟颯太の「かつ丼」があったこと。
そして「岐阜犬」は、おじいちゃんのカフェ命名の秘密をカンちゃんから聞き出そうとしてからの発明だった。

鈴愛の特徴は、「気流に乗る」ことではないか、と思うのです。
そして、常に爽やかに「道」を変えることが出来る人、とも思います。

決して「身勝手」ではない、本能的な「陽」への嗅覚があるのです。
だから、どこに行っても嫌われない、「ティンカーベル」(秋風事務所)でも「涼ちゃんたちオバさんち」でも。

食堂で働く早太の妻、里子とももめない、せんきちカフェで健太と結婚するブッチャーの姉、麗子とも争わない、自分の居場所を衝動的ながらも、周りの人との軋轢をかわして見つけてゆく、というかなりの「高度な技」を持っています。

これは、やっぱり「楡野家」が平凡なようでいて非常にユニークだった、ということに由来する気がします。
母は溺愛せずに、要所要所で突き放す強さを、父はあっけらかんとしたユニークさを持ち、子を理解し受け止める。
亡くなったけれど、おじいちゃんは自分の道を全うすることを自身が示してくれた。
弟は、なんだかんだで、姉の非凡さを後押ししている。

つまりは、ただ受け入れるだけではない羽ばたかせる「何か」を秘めている、ということなのだと思うのです。

あと一か月、律との関係を含め、どうなるのか「予想もつかない楽しみ」を味わいたいと思います。