それにしても腹の立つのがあの日大アメフト(元)監督・コーチの記者会見。そして日大広報部が権力の番人だったことを図らずも露呈させ、日大の体質があの「タックル」を生む土壌があったということを世間に知らしめました。
これで来年の「日大受験者が激減するに違いないない」と思いました。
普段はそんなに好きな人ではない、橋下徹が結構いいことを言っています。
http://president.jp/articles/-/25162
そして、「危機管理の専門家」の山口明雄さんが書いた記事が下記。
とても納得できました。
https://www.advertimes.com/20180524/article270921/
ほんと、自分が命令しなかったなら、あのタックルをした時点でベンチに下げて「自分の言ったのは不正タックルをしろ、っていうことではない」と注意すればよかったのです。
「危機管理」の手本がTOKIOのメンバーの会見だった、ということにはちょっと驚きました。「そこまでしなくても」、という感覚が大事なのだ、ということなのですね。
なるほど。
それにしても、あの不正タックルをしてしまった日大の学生さんは立派な会見でした。もちろん事前のリハーサルはしていたでしょうけど、山口さん曰く、
私の経験では、大企業のトップに何日もかけてトレーニングしても、あそこまで無欠な返答ができる人は数少ない。おそらく、被害者やその家族・関係者、そして国民に自分の犯した罪を深く謝罪し、ただただ正直に事実を話そうとするひたむきな気持ちが、経験豊かな記者のあの手この手の誘導質問や仮定の質問を物ともしなかったのだと思う。
本当にそうなんだと思います。
「真実と正直な気持ち」が何よりも勝るのは、「ごまかそう」「よくみられたい」という余計な飾りが排除され、簡素になるからなのです。
話す人が自分の言葉で語るからとても分かりやすくなるのだと思います。
TOKIOの会見で思ったのは、彼らの中でも「山口達也」への怒りがあった、ということです。
事件をごまかそうとしていた心理はある程度理解できても、それまでに酒臭い体で仕事に来たり、「お酒」が原因で収録とかがうまくいかなかったり、ということが一度や二度ではないほどあったのではないでしょうか。
その正直な発言によって彼らの発言が「真実」であることを印象づけたのです。
そして、何より共感を呼んだのが(それでも)「山口達也の辞意を保留にした」ということなのではないか、と思うのです。
あの会見でTOKIOから「山口達也はTOKIOを辞めました」という言葉が出たら、「完璧な尻尾切り」と世間が思ったはずです。いくら最悪なことをして迷惑をかけられたとしても、「共に歩んできた友を簡単に見捨てられない」という苦悩を表現したことに意義があったのです。
世間の気持ちというのは、不思議なものです。簡単に反感も買い、味方にもなる。
日大アメフトの(元)監督と(元)コーチには「真実を語る姿勢」が全くなかった。あの「恥の上塗り」をした大学広報のおっちゃんが全てを示していた。
「日大ブランドを落とさないこと」を目標に始終した会見は、見事に「(日大ブランドを)落としまくり、反感を買い、ヒンシュクを買った」のです。
「危機管理」のお手本はなんと言っても①真実を話す。わからないことはわからないと言う。つまり憶測で話さない。
②(自分のしたことが)悪かったと思っていることを伝えるので、希望(例えば「所属への復帰」)を口にしてはいけない。
③徹頭徹尾自分が悪かったということを言い続ける。
④ピンクのネクタイはしない。(最初のアメフト監督の会見時)
⑤(謝罪)相手の名前は間違わない。(「かんせいがくいんだいがく」を「かんさい」と言ってしまった)
(元)TOKIOの山口達也と(元)日大アメフト部内田監督の間違いをミックスしてみました。
不正タックルをしてしまった学生さんが、あと2年の学生生活を全うし、胸をはって社会に出られるように願わずにはいらせません。
そして何よりけがをした関西学院大学のアメフト選手も早く回復して今後もアメフトを続けることができるようにと思います。