ユジンの父が自分の父かもしれないということに気付いたチュンサン。前から母の願いであったアメリカ留学を決意します。
大晦日の日、空港に向かうチュンサンはユジンのピンクの手袋が自分のコートに入っているのを見つけて、「会わなければならない人がいる」と無理やりタクシーを止めて駆け出します。
そして、その後何度も出てくるあの事故のシーン。(トラックの音に)振りかえり「ユジナ」とユジンの名前を呼んで、暗転。ユジンは花火の音に振り返る、という憎い演出です。
チュンサンの事故を知らずに、学校へ行くユジン。冬休みでは?というツッコミは置いておいて、なぜ来なかったのかを責めるか、自分も行けなかったふりをするか、迷うユジン。
教室に行ってチュンサンが事故で亡くなったことを知り、思わず駆け出すユジン。
『チュンサンのことをまだ何も覚えていない!』というようなことを叫ぶのですが、このユジンの『記憶すること』がこのドラマのもう一つのテーマです。
この『初恋の記憶』がユジンの人生を支配してしまう、そのことをここで否定的に言っているわけです。
チュンサンが事故で亡くなって5人(ユジン、サンヒョク、チンスク、ヨングク、チンスク、チェリン)が湖に行って「お葬式」的なことをします。紙を燃やして弔うのが韓国のしきたりなんだ、と初めて知ったシーンです。そしてサンヒョクがユジンを送ってきて、「いっそのこと泣いてくれたほうがいい」とサンヒョクが言います。
ユジンが自分の部屋に入ると机の上にカセットテープが置いてありました。カセットに入れると、チュンサンの「サプライズ!プレゼントを贈ります」という声が聞こえて、ユジンが泣き崩れるのです。
そして、10年後になる冒頭シーンはとても素敵です。ユジンが「建築デザイナー」として働いているシーンです。とっても生き生きしています。
ところが、会社に戻ると、社名が「ポラリス」、先輩であるチョンアさん(パク・ヒョンスク)と立ち上げたのでしょう。「ポラリス」は6人で山小屋に行って、迷子になったユジンをチュンサンが見つけて、「ポラリス」を目印にすると道に迷わない、と話した二人の「秘密」だったものです。
ユジンが会社に「ポラリス」という名前を付けたことで、チュンサンの記憶をとどめておきたいという気持ち、そしてそこから抜け出ていないことを表しているのだと思います。
それにもかかわらず、サンヒョクとユジンは「結婚を約束」してしまっています。そこが、韓国でユジンが「優柔不断」と批判を受けた理由だと思うのですが、私はサンヒョクの粘り勝ち、だと思うのです。そんなユジンでもいい、と思ったのでは?
ユジンも、ミニョンが現れなければ、そこそこうまくサンヒョクとやっていた、と思うのです。(だってもう誰も愛せないから)
そんなユジンに決定的な運命が訪れます。