「凪のお暇」にハマった私だけれど、平行して中国歴史ものにもハマっています。
日本のドラマの現実の先を行く視点のリアリズムと中国の歴史ファンタジーの対比。
人は「リアル」のみで生きずにあらず、「ファンタジー」も必要、なのです。
何より楽しいのは、国と国との駆け引き、国内でも熾烈な権力争い、誰とくっついて、誰を追いやるか。
騙したと思ったら騙されていたり、自分の立場を守るために身内を犠牲にしたり、欲望まみれの人物が捨て去るには惜しい人材だったり。
その複雑さと人の変わりゆく姿に「ファンタジー」を超えた部分を観たりします。
2か月前から見ている「孤高の花 General&I」が62話中50話までこぎつきました。
62話まであるので、途中ちょっと中だるみも感じましたが、なかなか面白い。
最初中国ドラマ特有の吹き替えが気になるのですが、だんだんと気にならなくなり、中国、台湾、香港とそれぞれの俳優が吹き替えによって活躍できるのも、ありじゃないかと思うようになってきます。
何と言ってもこの「孤高の花」は、白娉婷(アンジェラ・ベイビー)を巡るウォレス・チョン演じる楚北捷とスン・イーチョウ演じる何侠の闘いが物語のメインなのですが、見ているうちにどっちを選ぼうか、勝手に迷いだす「全く持って見当違いな勘違い」が生まれます。
スン・イーチョウは「続宮廷女官 若曦(ジャクギ」で知った中国の俳優さんですが、カッコいい。
役としては、いいとこのボンボンが家没落の苦労の後、自分の国再建のために他国の皇女燿天(ガン・ティンティン)と結婚するも、(天涯孤独で何侠の家に引き取られ侍女として育った)白娉婷に未練を残す難しい役どころなのですが、逞しい体に、涼しげな眼もとが素敵な人です。
「続若曦」は途中挫折してしまったのだけど、包容力とユーモアがあるいい人(役)で、実際に主演女優のリウ・シーシーと結婚した相手役ニッキー・ウーよりもずっと好きだった。(途中視聴に終わっているけど)
この人には寛容さと暖かさを感じます。(勝手な思い)
そんなスン・イーチョウなのですが、何侠役では、後半どんどんと狂暴になってゆきます。
本当はいい人なのに・・・・・(と現実とドラマの混同)
ところが、楚北捷のウォレス・チョンが登場すると、やっぱり主役、素敵なのです。
ちょっと見、わりと庶民的なお顔なのだけれど、役が乗り移るというか、歩く話す闘うの動作で「超かっこよく」なる。
冒頭からの白娉婷への想いはちょっと強引で、無理やりなところもあったのだけれど、実は白娉婷の父が楚北捷の母を命がけで救ったことが明らかになり、二人の運命的な出会いが必然と思える設定にやられました。
ウォレス・チョンは香港出身で、歌手、ダンサー、俳優というエンターテイナーらしのですが、43歳?44歳?全くもってそんな歳に思えない、若々しさ。
プラス大人の落ち着きと優しさと真面目さを兼ね備えた、さすが主演俳優の貫禄です。
大軍を率いる大将、隠棲の若旦那、大商人の頭首とそして皇帝(ラスト)へと変わるその変化もなかなか素敵です。
アンジェラベイビーは、キレイ過ぎてちょっと浮世離れした人物な気がしてしまう。
その点で超カッコいい男子二人が必死で彼女を取り合う図に説得力があるのだけれど。
女性の視点で行くと、若曦のリウ・シーシーとか、未央のティファニー・タンの方がずっと親しみやすく、感情移入ができる。
このドラマでは、医女で白娉婷のお付きをする酔菊を演じた女優さんがかわいかった。(50話前後は行方不明)
あと残すところ12話。
楽しみです。