録画していた「凪のお暇」を2話続けて視聴、で最終回。
あ~終わっちゃった~
夏が終わったなあ。
慎二もゴンも選ばなかった凪。
もやっとした、という感想もあるみたいだけれど、私は「いい時代になったなあ」と思いました。
可哀想なのは、あの片平なぎさ(凪母)と西田尚美(慎二母)。
双方の砂上の楼閣が壊され、自分のすがってきた「出来た子ども」という幻から否定された2人。
「家庭」と「子ども」が全てだった2人には何が残ったのだろう、と気になりました。
凪が言った「お母さんは自分で幸せになって」というような(記憶が少しあいまい)セリフがささります。
そして、三田佳子は50年ぶりで会った妹(鷲尾真知子)との同居を選ぶ。
世代を3つつくって、それぞれの世代の課題を浮き上がらせる上手い演出だと思いました。
三田佳子が捨てた夫と家を引く受けた鷲尾真知子、何もかも捨てた姉に「それで幸せだった?」と聞くも、何もかも引き受けた自分も、全てを捨てた姉も、そうたいした差がないことに気づく。
何かを持ち続けることはとても難しく、そして、人生になんの確証などないのです。
凪の世代の「親との葛藤と選択肢の多さ」と母たち世代の「家族に対する執着」、三田佳子世代の「独居問題」、吉田羊世代の「シングルマザー」、さまざまな世代を登場させ、いろいろな問題を提起していたような気がします。
最終回のテーマは「やっかいな家族」だったのではないかと思いました。
人の気持ちを読むことにばっかり気を遣う凪に、自分の気持ちだけで生きて良い、というメッセージをいろいろな人からもらい、少しずつ自分に自信を持つようになる。
慎二との結婚を夢見ていたのに、自分で立つことの「快感」に目覚めた凪。
ゴンの優しさにも寄りかからず、慎二との「結婚」にも頼らず、生きてい行く。
何より楽しかったのが、坂本さん(市川実日子)との「コインランドリー計画」だったのです。
誰かとの結婚、誰かの恋人、それが「幸せの形」でなくなったのがよくわかりました。
いや~、良い時代です。
ラストの坂本さんが慎二の兄(シソンヌ長谷川)とくっついてしまったのが、ちょっとシニカルで面白かったけど。
さんざんゴンとの恋愛に「闇」と言っていた彼女に「闇」?
これで、またゴンか慎二のアパートに転がり込む、という展開も考えられる。(おっとこれでは元の木阿弥)
いえいえ、自分でちゃんと歩いてゆくことでしょう。
続きがあるとすれば、凪ちゃんのハツラツと働く姿と、2人の母、片平なぎさと西田尚美の「再生」を描いて欲しい。
中年女性の幸せの形を是非。