アナザーストーリーズ「小室哲哉という“革命”~メガヒット連発 その光と影」を観ました。
言ってしまえば、どこにでもある単純な「栄華盛衰」のストーリー、下記の言葉を思い浮かべました。
祇園精舎の鐘の声、諸行無常の響きあり。 沙羅双樹の花の色、盛者必衰の理をあらはす。 奢れる人も久からず、ただ春の夜の夢のごとし。 猛き者も遂にはほろびぬ、 ひとへ に風の前の塵におなじ。
宇多田ヒカルのように「人間活動」という名で休養したり、浜崎あゆみのように結婚したり、離婚したりして気分を変えてみるとかできなかったんだなあ、と思います。
とことん、ストイックで、ある意味非常に真面目な人なのかも知れません。
もっとも、男性より女性の方が節目における「気分転換」が上手なのでしょう。
番組全体を通して感じたのは、小室哲哉の表情の無さ。感情があまり伝わってこない。自分の感情に向き合うことなく、ひたすら「やるべきこと」を追求して走っていたのだと思います。
元々感情を表すのも苦手だったのでしょう。
「頂点を極めている人」の特徴で、絶頂期にはアドレナリンが出まくり、マイナス思考が出来なくなる。
そしてちょっとでも「負の要素の話」をする人を遠ざけてしまう、そういう状況になってしまうことも十分に想像つきます。
人がワーッと集まって、ヒット曲がなくなると、サーっと引いてゆく、それが芸能界、というところなのだと思います。
「厳しい世界」です。
もっと自分はやれるはず、という気持ちが空回りする。
外国でもそうだけど、音楽業界の人たちは、薬にハマったり、アルコールにはまったり、アッという間に「闇」に陥る人が少なくないのは周知の事実です。
そんな人たちに、是非「さだまさし」の生きざまを見習ってほしい。
グレープ(ディオグループ)の解散後、ソロ転向。
何といってもあの「長江」という映画での「35億の負債」を30年かけて完済したその前向きさ。
それはなんといっても、コンサートの力なのです!
「人生は明るく、歌は暗く」がモットー、らしいのですが、この人のコツコツとした勤勉さと芯の強さ。
「明るい」は百難を退ける、そんな気がしました。
反省はするけど、落ち込まない。
分析はするけど、後悔はしない。
何百回の何千回のコンサートも、自分が楽しんでいるのでしょう。
リピーターが支えているのです。
そして、Wikipediaを見たら、なんと息子さんと娘さんがそれぞれにヴァイオリンとピアノでアーティストになっていた。
自分が果たせなかったヴァイオリンの道をちゃんと歩ませていたことも、なかなかの「執着ぶり」。
見事です。