「自由と責任は有料」~西原理恵子の本から~


西原理恵子の「スナックさいばらおんなのけものみち」を読みました。面白い!!すごく。この人の結構壮絶な体験を踏まえた

『自由と責任は有料』働いて、稼いで、勝ちとってゆくもの

という言葉が胸に突き刺さります。自身が惚れやすい体質で、こんなにしっかりとした人が「だメンズ」を好きなり、プラスDVチックな男に縛られてゆく過程をたどる。
なんで?とも思うけれど、激しい気性の女性には、その激しさを上手く利用するもっとしたたかな男が近づくのです。恐らくプラスとマイナスが引き寄せ合うように、「女性から甘い汁を吸う男」が一見優しそうに、女性の強さを抱擁するような雰囲気を持って、おそらく「イケメン」で、女性から惚れられる、そんなプロセスが目に浮かびます。
夫だった鴨志田さんもステキな人だったのだと思います。

百恵ちゃんと何が違うかを考えてみました。行き着いた結論は、「だめ男」か「良い男」か。違いは夫選びではなかったか。いえ、西原理恵子には、「自分を自分で食べさせる」という生涯にわたっての揺るがない「矜持」を持っているってことが大きな違いです。
いえ、決して百恵ちゃんをおとしめているつもりはありません。西原理恵子の「意地」というより、「性」なのだと思います。この世代の人の女性が全員持つというものでもない、生育歴に裏付けされた「獲得してきた意志」なのです。

この本は読者からのお便りをもとに話が進みます。いろいろすごかったけど、一番記憶にあるのは、「もともと夫婦仲が悪かった両親。父が借金を作って自分の会社を倒産させた。都合よく重い病気になって病院で手術を受けた。母と病院で8時間待って、ストレッチャーで父が運ばれてきた。その時母はまだ意識のない父にかけより、(なんだかんだ言って心配していたんだと思ったのに)いきなり「なんで死ななかった!」と怒号とともに父の首をぐいぐい締め上げた。もちろん院内は大騒ぎ」
という一文です。夫婦は他人の始まり、確かにお父さんが亡くなれば「保険金」が入り、会社の潰れたことが「死で帳消し」になるってものです。
その後、離婚されたようです、よかった。

この本「スナックさいばら」、沢山のろくでもない男が出てきます。
西原さんが一貫して伝えているのは、「お金が自分を救う」ということです。男がろくでもなかったら、別れてすぐに自分の生活を立て直すことができるのです。
その「お金」ということには、「仕事」という言葉が含まれています。ともかく「自分で稼ぐ能力」を身につけること。自分自身で稼いだお金はどうやって使っても、誰にも何にも言われないのです。

「お金が誰にも何も言わせない武器になる」この本のテーマだと思います。