公人が「家庭の写真」をSNSにあげるのは難しい。
その切り取り方で、いろんなことが見えてしまい露形される。
一般市民の穿った見方がそうさせるということが大きいのだけど、その落とし穴に落ちない「スマートさ」が求められる。
その「smart」がなかったのが岸田さん。
家庭内が平和であれば他人からどう思われようとも構わないし、仮に(もちろんDV等は論外だけど)亭主関白であろうが、重たいものは箸しかもたなかろうが、構わない。
ただ、他人に見せるのあれば、政治家としてのスタンスを「疑われない形」が必要だと思うのです。
あの写真は、奥さんが立っているところを写しただけ、ということではなく、「写真を撮るときに奥さんが立っていてもなんとも思わなかった岸田さん、さらにそれを公開することになんの疑問をもたなかった岸田さん」「あの写真が家庭円満である」ことを示すことに何の疑いもなかった「無邪気な」岸田さんがいることを世間にしらしめた。
それはいわゆる「(世の流れに)無知」であることを示しているのです。
# me too, とか フラワーデモ、とか、LGBTQ などへのアンテナもなく、さらに「愛の不時着」も知らなかったんだろうなあ、と。
石破さんと菅さんが知っているか、というとそれも疑問なのだけど。
(石破さんは顔が怖いし、菅さんは安倍政権の隠蔽を全部主導した人だろうし、誰もそれぞれに「負」が大きい、気がする)
まあね自民党のおっさんたちが本気で「自分たちも家事をして世間の模範になろう」って考えているわけはないのだけど。
ただ、言いたいことは「今の世間の流れを掴んでいる」ということを示すべきなのです。
思い出すのは、「ノルウェイの森」で、ヒロインのみどりが言う、学生運動のさなかにおにぎりを作っていかなければならなかったのが、女子学生だった。
男子学生は、そのおにぎりの具について「しゃけ」がいいとか、玉子焼きがついていてよかったとか、「うめぼし」のおにぎりに文句を言われた、という描写。
「学生運動」という一切平等に見えた中に潜む「差別」
さらには、上野千鶴子さんが、学生運動をしている男子は遊びで学生運動をしている女子とは付き合うけど、「恋人」は学生運動をしていない女子だ、と公言している男子がたくさんいた、と。
結局、学生運動をしていた男子は、「自民党議員のおっさん」と全く同じだったってことです。
世襲議員がいいとこのお嬢さんと結婚して地元基盤を広げる。
学生運動をしていた男子は、当時の大学生は実家がある程度裕福であったということで、結局平凡な結婚と大企業に飲み込まれていったことは周知の事実です。
世襲議員ではあるけれど、小泉進次郎あたりに是非、「お手伝いさんがいるので家事一切から解放されている滝川クリステル」「子どもを産んでも仕事をバリバリこなす滝川クリステル」をSNSで披露して欲しい。
もちろん、「(リ・ジョンヒョク並みに)料理ができる小泉進次郎」を公開してもいいけれど。