「まんぷく」と「西郷どん」


NHK朝ドラ「まんぷく」が始まって1ヶ月。
視聴率も好調のようです。
怒涛の戦中が終わって、戦後になり、いよいよ「何かを発明」しようとする長谷川博己と安藤サクラですが、昨日の主役はおそらくは世良さんでした。
(CMのインパクトがありすぎで)ほとんどauの浦島太郎にしか見えない、桐谷健太が良い仕事をしています。

まず、再会時にあの何かと気難しい鈴さん(松坂慶子)に「福ちゃんのお姉さん?!」と声をかけ、ポイントを稼ぐ。
そして「闇市」の商売を明るく&見事に肯定してみせる。

今は不公平が当たり前の時代や、良いも悪いもなくあるのは不公平・・・闇で儲ける人間ともうけられない人間、文句だけ言ってる人間はアカンのや

その言葉が今の社会でも通用する、というか時代が変わっても「不平等」な世の中が全く変わっていないことに驚きます。「闇」を「仕事」と変えればNHKスペシャルで発言していたソフトバンクの孫正義さんの言葉と全く変わらない。

「福祉」というセーフティーネットもなかった戦争直後では、食べていける手立てがないことは、「死」を意味したわけです。
正しい意見ではあるけれど、世良の性格を表している言葉で、言下には弱者切り捨ての意味があります。でも、混乱を生き抜き、商売を軌道に乗せ、事業を拡大するというチャンスが転がっていた時代でもありました。

いつの時代も成功するには、「負を+に変える陽のパワー」と「(適度な)自己肯定力」、「時勢を見る目」が必要だ、ということなのです。

この世良さんが主役の萬福(長谷川博己)にどうかかわってゆくかは分からないのですが、おそらくもっときれいな「目標」(やっぱり人のために役立ちたい、というような)を掲げ事業を起こしてゆくのだろうと思います。(NHKなんで、とウッチャンを真似してみた)
世良との関係は将来に渡っての「ライバル」になるのか、互いの長所を認め合い、パートナーになるのかは、ちょっと気になるところではあります。

戦後から高度経済成長へと向かう希望ある時代とは違い、「大河」は明治時代に突入。これから大久保と西郷の決裂、西南戦争を迎えます。
今週、久しぶりに観たら、西郷役の鈴木亮平の体と顔がパンパンになっていて驚きました。
この方の「役者魂!」を見た気がします。
(ご本人が)いい人なんだろうなあ、という人柄も伝わってきます。
あまりにもピュアな感じで、役者としての魅力をあまり感じない(個人の意見です)
頭の良い人なんだろうな、というのはわかります。(なにせ東京外語大学出身)

好みのキャラクターがいないので(今年の大河)視聴を中断していたのだけれど、これからの政治的紛争、西郷隆盛と大久保利通の決裂をどう描くのかに興味をそそられ、視聴しようかと思った次第です。