如懿伝~紫禁城に散る宿命の王妃~



中国歴史ドラマといえば、やっぱり「清」の時代、雍正帝、康熙帝、乾隆帝のお話。
いわゆる紫禁城を舞台にした「宮廷ドラマ」が好きです。辮髪にキラキラなお洋服、欲望と葛藤と陰謀と愛憎うごめく「毒殺」「拷問」「教唆」「詐欺」「捏造」、韓ドラの財閥ドロドロは嫌いだけど、歴史ドラマ、特に宮廷ドロドロはなぜか、「好き」な私。

「歴史」が人間の醜さを小さくさせ、モノクロの写真のようにどこか人ごとになる。
「衣装と髪型と紫禁城」である意味ファンタジーな感じ。

「如懿伝」(なんと87話まである)、先に視聴した「瓔珞」(ともに乾隆帝の時代)が70話だったので、それよりも20話ちかく長い。
視聴完了できるかどうかはまだわからないのですが(まだ22話)なかなか面白い。

「紫禁城」、東京ドーム15個分だという広~~い敷地とはいえ、ディズニーランドがあるわけでも、カフェも映画館もファミレスもない、ただひたすら「皇帝」の訪問を待つだけの日々。子どもが生まれると「格」も上がり敬われるとはいえ、乳母や教育係がいて、子どもたちと団欒、などとは夢のまた夢。

つまりは、ひどく「単調」でやることは、皇帝との「伽」、あとは「祭祀」
息が詰まるような「生活」で、何が始まるかというと、「いじめ」なのです。

誰かがターゲットになり、徒党を組み、策略を巡らし、また集まり、成果を確認し、次の計画を練る。
ヒロイン「如懿」は皇帝のお気に入りだったことから「いじめられる」対象になってしまいます。
しっかりしていて、頭もよく、機転も利くのですが、用意周到に張り巡らされた「計画」にはめられてしまいます。

そして、「冷宮」という「監獄のような施設」に入れられてしまうのですが、なかなか逞しい。
冷宮監視の役人と親しくなり、「刺繍」をしてお金を稼ぎ、そのお金で食事担当の役人に賄賂を渡し、まともな食事に替えてもらう。

「瓔珞」の下から這い上がって登りつめるエネルギーあふれる人物とは違う、大人で知的で「静」を醸し出しながらも「動」を内に秘めた魅力的な女性です。
ジョウ・シュンという女優さんですが、なかなか深い演技をする人だと思います。

佇まいに威厳があって、いじめられても、陥れられても、どこか達観した中に内に秘めた信念を感じさせる、そんな役を見事に演じています。

瑛珞で傅恒を演じたカイ・シューばりのイケメンは見当たらないけど、ジン・チャオ演じる「凌雲徹」が野性味あふれる男子で「宮廷」の中では異色、要注目です。