今更ながら「フレンズ」(アメリカドラマ)



12月8日は、太平洋戦争が勃発した日(1941年)、それとジョン・レノンが暗殺された日(1980年)。
1941年は生まれていないけれど、1980年の12月8日は学生でした。

次の日に英会話の授業があって、アメリカ人講師が「John Lennon was killed」と黒板に書いてなかなか授業に入らなかったことを覚えています。
その後の内容は全く覚えていないので、定かではないのですが、そのアメリカ人講師はショックのあまり授業を途中で終わりにしたのかもしれません。(ゆるい時代でもあったし、ゆるい学校でもあった)

アメリカに対するあこがれは、世代的には常に付きまとっていた気がします。(イギリスはちょうど衰退した帝国のイメージ)
その英会話の授業で、ペラペラな同級生がいて、聞けばアメリカに一年留学していたとかで、「へえ~」という称賛とともに留学の話を聞いた記憶があります。
「アメリカ人はね、ほとんどの人がGパンとTシャツで、全然おしゃれじゃない」って、くっきりメイクで述べる彼女は、確かにおしゃれな人だった。
留学したアメリカでオランダ人と知り合って今でも長距離恋愛、という話も「へえ~」というばかりで、その後(卒業後)結婚して離婚して再婚した(日本人と)、という話でした。

国際的の最先端を行っていたなあと、話はアメリカつながりですが、Netflixで「フレンズ」を観ています。
シットコムの代表作品はやはり、よくできています。
現代から観ると、「多様性に欠けたドラマ」であることは間違いなく、6人の主役は白人の美男美女で、今で言えば劇中に「LGBT」を完全にバカにしているセリフも多く、アジア系、アフリカ系のアクターたちはチョイ役ばかり。
ロスの最初の結婚が妻がレズビアンだったり、チャンドラーの父親が性同一性障害で、女性になったりと(性転換手術をした)、設定は斬新だけど、如何せん「LGBT」への笑いをとる場面が多くて、びっくりします。
(フィービーが歳上の女性と結婚した異母弟の代理母になったり、モニカとチャンドラーは「養子」を選択したりと頑張ってはいる)

でも見続けるうちに、1994年あたりはまだまだ「多様化」への過渡期でもあったのだろうとも思うし、そして「保守」は現代のアメリカでも一大勢力なのだと改めて感じます。

レイチェルはシングルマザーになる決心をし、それを了解しつつ子育てを手伝うつもりのロス。
モニカとチャンドラーの結婚式では、親世代の親戚をごまかすために、二人で「結婚した」フリをする場面が描かれます。

シリーズの最後と言ってもいい9シリーズの終わりに、ロスといい感じになる人が黒人の女性、多様性への挑戦はシリーズの終わりになったのです。

それにしても、いまだに人気のこのフレンズ(来年にはメンバーがまた集合してその後を描くドラマが作られるとか)、職業もバックグランド(学歴とか宗教とか)を抜きに友情を持ち続ける6人は、やっぱり「理想でうらやましい」ということなのだと思います。