シグナル!!


「シグナル」の興奮から覚めません。
やっぱり、とてつもなく面白かったなあ。
前回イ・ジェハンを演じたチョ・ジヌンの独り勝ち的なことを書いてしまいました。
もちろん魅力的な役柄で、外見という概念を凌駕する演技というものを実感したわけです、はい。

誰よりもかっこよく、誰よりもステキに見えてくる、そのプロセスはチョ・ジヌンの「演技」という魔法にかかってゆき、ドラマが終わるまでその魔法が覚めないのです。

もちろん、パク・ヘヨンを演じたイ・ジェフンも良かったし、パク・ヘヨンを怪しみながらだんだんと受け入れてゆく先輩刑事チャ・スヒョンを演じたキム・ヘスも良かった、全部を褒め称えることができるのは、全てのピースがかっちりはまったパズルのようなドラマだったとも言えます。

16話のドラマを通じて若く青いパク・ヘヨンが成長してゆく物語にもなっていました。
パク・ヘヨンの警察への恨み、社会への反抗、大人たちへの不信、プロファイラーとしての力はあっても、全ての人への「反発」から孤立するヘヨン。

15年前のジェフンとの交信によって、信じられる「大人」がいたことを少しずつ知って行くのです。

「あきらめない」ことが社会を変えて行くことだ、というイ・ジェフンの行動がヘヨンを変化させます。
キム・ヘス演じるチャ・スヒョンは、ジェフンを尊敬し、慕い、恋焦がれる人なのだけれど、その思いを秘めたまま刑事を続けています。
「半人前」と言われた15年前からの成長は目覚ましく、チーム長としての役目を果たすべく、反発し合いながらも、「刑事の基本」「チームで働くこと」をヘヨンに伝えてゆきます。

チャ・スヒョンという人物が、パク・ヘヨンとイ・ジェフンを結びつける役目をしていた気がします。
15年前と現在、という一人二役のような役をこなす、キム・ヘスもすごい女優さんだと思いました。

抜群のスタイルと「知的」な大人の部分と、「華」でもあるのに、抑えた演技と、それでいて秘めた情熱と・・・
このタイプの女優さんは日本にはなかなかいないのではとも思いました。

細かな伏線も全部回収し、悪役のキム・ボムジュの行動に「疑問」が生じるところも、あとから「なるほど」と思えるように考えられていることが分かります。

良いドラマに出会うと、それだけで「生きてて良かった~」と思います。
ともかく、全てを忘れて没頭できます。
「忘我」の境地を味わうことができる、貴重なドラマなのは間違いありません。