ひかりTVで韓国版「シグナル」を観ました。
2016年制作なのですが、全16話。
いや~、これは10年に一作あるかないかの傑作です。
ものすごくよく出来ている。
とても、とても面白かった。
一気に見てしまいました。
脚本の見事さとキャスティングの妙と俳優陣の確かな演技。
「ミセン」の演出家とキム・ウニ脚本家、多分新しいジャンルのドラマを作る意図があったのだと思います。
「太陽の末裔」と同年に放送されたらしいのですが、私は「シグナル」に軍配をあげたい。
そして、ストーリーどうのこうのを言いたくないし、余計なことを書きたくない。
must see it です。
主演は、イ・ジェフンなのですが、チョ・ジヌンが全てを持っていってしまいます。(もちろん、ジェフンも悪くない)
彼と対峙する敵役(かたきやく)チャン・ヒョンソンがまたこのドラマを押し上げています。
チョ・ジヌン演じる正義の人、イ・ジェハンとチャン・ヒョンソン演じる正義から真逆の人、キム・ボムジュ。(下写真)
最初の事実が過去との交信によって、少しずつ「事実」が変わっていく。
その「不正」がほんの少し「変化」し、それがうねりになって、「正義」が力をつけてゆく様がなんとも爽快。
そのスピード感、スリル。
理不尽な悲劇がゼロになるのではなく、「形」を変えるところにこのドラマの本質があるのだと思います。
イ・ジェハンの挫折を乗り越える意志と、「悪」を凌駕する信念の強さ。
「悪の権化」であるキム・ボムジュとの闘いはドラマの核となっています。
これでもかとという「悪」に挫折しそうになりながら、戦い抜くジェハンがステキです。
そして、その周りの「グレー」の人達。
またその人間臭さが、リアルなのです。
ここにも、またキム・ウォネが日和見的な刑事役で登場。
事なかれ主義の刑事が少しずつ変化する、そのさじ加減がまた最高です。
「強い女ト・ボンスン」の役のように振り切った役ではないけれど、フツーの人のフツーの変化をリアルに演じていて、またそれもスゴイ演技力だと思います。
ともかく、ストーリーの見事さ。
この軸があり、「ラブ」の部分で言えばキスシーンひとつない、「ヒューマンサスペンス」のジャンルで新たな「韓ドラ」の歴史の1ページを残した、と思います。
その見事な作品に出会えた喜びを味わうことのできる、ありがたいドラマです!