きのう何食べた? ~人との出会いが人を変える~


なかなか更新できないままに11月が終わりました。。
12月、いよいよ年の瀬です。
うわっ~早い!!!

今更なんだけれど、よしながふみ原作の漫画をドラマにした「きのう何食べた?」をひかりTVでイッキ見しました。
面白かった。
シロさん(西島秀俊)が作るご飯も美味しそうだし、ほのぼのした日常の中のマイノリティの苦しみ・苦労をサラっと描き、人が持つ強さをふわっと見せてくれた、良質なドラマ、だったと思います。

ココロは乙女のおっさん、賢二を演じた内野聖陽の上手さも非常に印象に残ったけれど、私の中では、シロさんのお母さんを演じた「梶芽衣子」が印象的でした。
私たちの世代の梶芽衣子の記憶は、鬼平~の”おまさ”か、寺内貫太郎~での足の悪い幸薄そうな藤竜也の恋人”静江”(あと映画の「さそりシリーズ」、見てはないけど)を演じていたことでなかなか進まなくなっていましたが、素敵なお母さんを演じていました。
こんなコミカルな演技ができるんだ、と驚いた次第です。

息子が「ゲイ」であることを理解しようと懸命なのだけど、どこか空回りしていて、息子との溝が埋まらない、そんな葛藤を抱えるお母さん。
それでいて、ベースが「息子愛」、そして「夫」も大切にする心温かい人。

昭和の人間の悲哀、みんなで一斉に結婚して、子ども産んで、またその子供が結婚して・・・・・、という図が永遠に続くと楽天的に考えられた時代は終わった、ということを認識できないでいる、そんな世代にしては(ある程度時代を見る眼もあり・・・というか努力?)頑張っているお母さんでした。(お父さんも。途中志賀廣太郎から田山涼成に変わったけど)

まだ息子を理解しようとする、歩み寄ろうとする姿勢は立派なものです。

このドラマの「ゲイでもストレートでも楽しく生きよう」というコンセプトがとてもよかった。
シロさんがしっかりして、のんきな賢二にいろいろ文句を言う、という日常生活だけれど、ゲイを公言していて、職場でも日常でも自分を偽っていない賢二は、シロさんよりも、ずっと素直に生きて、物事をストレートに受け止め、心が広い。
そんな賢二に(結構なんだかんだで)救われているシロさん。
彼が本来持っていた長所を引き出されていく、そんなドラマだったと思います。

途中ゲスト出演で、山本耕史と恋人役で磯村勇斗のカップルもまた素敵なスパイスでした。
航君役の磯村勇斗の「ハリネズミパーカー(針を持ったネズミの絵)」がなんともいい。
山本耕史の緩急使い分け、航君への愛の熱さと普段のクールさ、笑えました。

そして、近所のスーパーで知り合ったオバサン役の田中美佐子(友情出演)もいい。
この人の強味は、フツーのオバサンができるところ。
女優女優していないとことです。

シロさんが出会った人との接点が賢二との日常をちょっぴり変えて行く、楽しいドラマでした。