チェリンの画策は、まだまだ続きます。サンヒョクにユジンとミニョンが同じ仕事をするのを知っているのかを確かめるのです。知らないと確信したチェリンはサンヒョクがユジンと待ち合わせている電話のやり取りを聞いて、偶然のようにミニョンとのデートに鉢合わせたかのように装い、ユジンが「マルシアン」のミニョンと一緒に仕事をしていること、ユジンがサンヒョクに黙っていたことを分からせるのです。
サンヒョクの気持ちを思うとかなりつらい。ユジンは「ミニョンさんを見ていて悲しかった。でもうれしかった」と言うのです。ユジンはとても正直です。「その正直さが自分にとっては残酷だ」、とサンヒョクに言われるのですが、ユジンは「自分の気持ちをごまかす」ことをしません。
サンヒョクはユジンが辞める、という「マルシアン」とのホテルリゾートのイノベーションの仕事を辞めないように説得します。「自分でミニョンがチュンサンでないことを確かめるといい」と言うのです。ここが運命の分かれ道だったのでしょう。後戻りできなくなることをこのときは誰も予想できませんでした。
サンヒョクに隠していることがなくなってユジンはほっとしました。チェリンがユジンを呼び出してサンヒョクとのことを聞きますが、期待した答えではありませんでした。必死で取り繕った言葉を並べ立てるチェリンに、ユジンは心からお礼を言います。
ユジンは全く人の言葉を疑わない人です。純粋で、その人の言うことをそのまま信じます。
チェリンはいよいよ、ミニョンにユジンに対しての「悪口」を言い始めます。「自分の真似をする」「自分の付き合っていた人を捕った」
ここら辺で蒔いた種が、ミニョンがユジンに「好意を抱き始めた心」を正反対に持ってゆく「誤解」を招きます。
物語として、盛り上がる前半のエピソードになっています。
「誤解」は愛のスパイス。「愛する前」の助走です。
ここで思うのは、ミニョンはチェリンをどう思っていたのか、ということです。恋人として付き合っていたとは思うのですが、「結婚」をするつもりはなさそうでした。
今ひとつ、チェリンに対しての信頼がなかったように思うのです。
ちょっと値踏みをしているような感じ。二世とはいえ、大きな会社の理事であり、仕事に対しての厳しさを考えると、ものの見方が冷静であったと思うのです。
チェリンのことも見極めたい、と思っていたのではないでしょうか。
ちょっと、やり過ぎたチェリン。
ミニョンはビジネスライクなところはあるけれど、人をオトシメル嘘は許せないタイプです。(推定99.9%の人がそうでしょう)
そこら辺のチェリンの甘さは、高校時代と変わらなかったのかもしれません。