「RBG」のドキュメンタリーを見て日本に絶望する。
そう、私たちはもっと怒らなくてはならないのだと思う。
All I ask of our brethren is that they take their feet off our necks
「男性の皆さん、踏みつけている足をどけてくれませんか」
去年87歳で亡くなったアメリカ連邦最高裁判事だったルース・ベイダー・キングズバーグが奴隷解放論者だったサラ・グリムケの言葉を引用した、ということですが、てっきり女性の足を踏みつけている、と思ったら、”necks”、「クビ」だった。
びっくりです。
そのRBGを支えた夫のマーティンがとても素敵。
大学時代、ブラインドデートを設定したのは彼で、ルースの外見だけでなく聡明さに気付き、惚れる。
そのマーティンを評して「彼は自分に自信があったから私の頭の良さに嫉妬しなかった」とサラっといえるRBGが素敵。
女性を貶める発言を繰り返す元総理のMさんとかに爪の垢煎じて飲ませたい。
そして、ちょっと正面切っての「女性問題」とは違うけど、ヘンリー王子とメーガン妃が話題です。
本国イギリス、(傍観者だけど)日本のメディアは2人に批判的。
転じて、アメリカではメーガン妃を擁護する発言をする人が多数。
これは、難しい問題だと思います。
「王室」が持つ異空間の不文律が存在することが全ての根源だと思うのです。
メーガン妃が言ったことが「嘘」とか「虚言」ではないと(私は勝手に)確信します。
思い違い、言葉のニュアンスのとらえ方の違いはあるにしても、「差別的」発言はあっただろうし、王室の秩序やら決まりやらに縛られただろうし、メディアの執拗で容赦ない記事も出回りました。
それに対して、王室が毅然と反論してくれなかった恨みもあったでしょう。
どうしたって、王位継承の順位によって「地位的」なものが存在する。
ヘンリー王子とメーガン妃は注目度に比例せず、色々なケアが後回しだった、ということがあったのではないか、と思うのです。
もう少し、二人に寄り添って「対処」してくれる人が必要だったと思います。
メーガン妃の率直でフレンドリーでパラレルな思考は、王室の(見えない)「順序」やら「基準」に戸惑い、メーガン妃がぶち当たった壁はヘンリー王子にとっても同じ障害になったのです。
ヘンリー王子は、それまで感じなかった「不自由」をメーガン妃によって知ることとになる。
メーガン妃に対してちょっと懐疑的だった兄のウィリアム王子に対しても壁を築くことになってしまった。
父のチャールズ皇太子とカミラ夫人の不倫からの結婚、ダイアナ妃の悲劇がありながらも、「王室」が脈々と続いてい行く。
その秩序を守るために、時には個人の感情は切り離さないとならない。
その歪みはどこかに現れ、フツーの感覚を持った人が苦しむことになる。
ヘンリー王子は、もともと一番フツーに近かった人だったのでしょう。
自分の力ですべてキャリアを築いてきたメーガン・マークルに惹かれた。
いずれにしても、ヘンリー王子とメーガン妃が悪いわけではなく、彼らが王室から離れることは「正解」だった気がします。