ヒョンビン沼 ~でも「レイトオータム」にはハマらなかった~



「ヒョンビン沼」にハマって3ヶ月目。
「シークレットガーデン」を視聴して、「私の名前はキム・サムスン」も視聴完了し、ついに(?)「レイトオータム」(映画)まで観てしまった。
2010年制作だからシークレットガーデンと同じ時期、この映画公開の後兵役についたヒョンビン。
う~ん、これは「映画通」を振り分ける「リトマス紙」な感じ?

通でない私は、この全体を通してupdownのない台詞の少ない雰囲気重視の映画はちょい苦手かな?
話としては、DV夫を殺した女性アンナ(タン・ウェイ)が母の葬儀に参加するために一時出所を認められ、シアトルに行くバスの中で女性とデートをしてお金をもらう男フン(ヒョンビン)と出会う。
そっけない態度でやりすごすアンナ。
偶然再会した二人。アンナはフンをホテルに誘うも、直前でフンを拒否。

その後二人はあてもなく街をさまよい、フンはアンナの母の葬儀に現れ、そしてアンナが刑務所に戻るバスに付き合う。
フンはフンに本気になってしまった人妻の夫から追われていて、夫からの罠にはめられ、警察に捕まる。
アンナとの再会を約束したフン、そのラストのシーンにフンは現れない、という暗~い話でした。

軽い男を演じたヒョンビンのシークレットガーデンのキム・ジュウォンとは別人の演技。
でも、この映画の主演タン・ウェイの「迫力」が全てをかっさらった感じ。
なんかすごい、この人。
なぜだかわからないけど、「強烈な意志」が伝わってきます。
「女優魂」と表現していいかもしれません。
「サムスン」で感じたキム・ソナの前と同じような、タン・ウェイの前のヒョンビン。(太刀打ちできなかったなあ~)
反対に言えば、「受け」でのヒョンビンとしては評価できるのかもしれません。

タン・ウェイの演技は目を見張ります。
なんというか、「美しくみせたい」という女優の欲をとっぱらえる人です。
韓国人俳優にも、日本人俳優にもいない、どこか「大陸」を感じさせる。
反して、ヒョンビンのエスコートボーイ(デートする男)が反リアルだった。
タン・ウェイの自我を捨てた演技に対して捨てきれないヒョンビン、と思ってしまった。

当時の記事を探していたら、タン・ウェイが「ヒョンビンは普段からかっこつけていた。その殻を破ってみたかった」と語っていました。
「いやいや、かっこつけてるんじゃなくて、真面目で硬い人なんです」と言い訳したくなってしまう。
彼のキャラクターに合わなかったし、そこまで行きついていなかった、というのは言い過ぎ?

ちなみに、タン・ウェイはこの「レイトオータム」を撮った韓国人監督キム・テヨンと結婚しました。
ヒョンビンがふられたわけではない、と思いたい。