「愛の不時着」を1話残して、久しぶりにスクリーンで映画を観ました。
「ストーリー・オブ・マイライフ/わたしの若草物語」
名作ルイザ(ルイーザという表記もある)・メイ・オルコットの「若草物語」を基にちょっとアレンジした映画。
評判がよく、リピーターも現れているとかで、小学校で子供向けの「若草物語」を読んでから、何度も読み返ししている者としては、やっぱり気になり足を運びました。
面白かった~
キャスティングが最高です。
脚本もものすごくよくできていたと思います。
女優でもある監督グレタ・ガーヴィグが脚本も担っているのですが、舞台は19世紀の終わりながら、21世紀にも十分通用するストーリーに仕上がっています。
私の長年の「若草物語」に対する「不満」をこの「ストーリー・オブ・マイライフ」が一気に解決してくれたことが何よりの収穫です。
なぜ、ジョー(ジョセフィン・マーチ)は、ローリー(セオドア・ローレンス)のプロポーズを断り、フリードリヒ・ベアと結婚したのか?
第二の「若草物語」読書の途中、その場面で本を破った私。(高校生だった)
その不満はずっと今の今まで引きずっていたのだけど、作者オルコットはジョーを結婚させるつもりはなかったとか。
結婚するのは、出版社の強い意向があったから、そして「ジョーをおかしくして結婚させた」とオルコットは言っていたとか。
推測だけど、ローリーのプロポーズを断るのは、オルコットの少なからずの抵抗で、ベアとの結婚は腹いせに決めたのだ、と。
でも、映画のフリードリヒ・ベアを演じたルイ・ガレルが素敵で、もちろんローリーを演じたティモシー・シャラメもいいのだけどルイ・ガレルの圧倒的魅力に納得した私。
そして、私の嫌いだった四女エミリーを演じていたフローレンス・ピューがなんとも魅力的で上手くって、全てのアンチエミリーを凌駕したと思いました。
後から彼女はアカデミー助演女優賞にノミネートされていたことを知り、納得しました。
小憎らしいエミリーを知的で自己主張をし、けれど自己分析にも長けた、ジョーの魅力にも劣らない女性を表現しました。(メグのエマ・ワトソンもベスのエリザ・スカンレンも良かった)
そしてラストの出版社との交渉場面は、グレタの創作ですが、見事です。
主演女優シアーシャ・ローナンが最高にカッコいい!!!
全ての女性が納得する、2020年の女性たちの(いえ、過去の女性たちも)溜飲を下げることが出来た、と言ってもいいと思います。(是非映画を観て)
作者オルコットの希望を叶えた形です。
そしてやっぱり重鎮、メリル・ストリープ。
お金持ちのマーチおばさんを演じているのですが、可愛いおばあさんの反対を絵に描いたような人物です。
「女性は結婚しなければならない」とジョーに言い、「おばさんは結婚していない」と反論され、「No,because I’m rich!」ときっぱり言い放つ。
「お金」を持つことが自由になること、未来永劫不滅の真実を述べています。
ステキ!!