「永遠の桃花」~ハマった理由を考えてみた~


「王女未央」「孤高の花」「永遠の桃花」中国歴史ドラマを3本見て、意外にも一番ハマったのが、「永遠の桃花」、演じたヒーローの好みで言えば、マーク・チャオが一番下だったのだけれど。

恐らく、キャラクターが良かったのだと思います。
一途なheroは3作品ともに同じ、ヒロインをひたすら愛するけなげなheroです。

マーク・チャオ演じる夜華(やか)マーク・チャオは、祖父の天帝の存在がネックで、ヤン・ミー演じる実は身分の高い孤族のお姫様なのに、人間界に落とされた(?)素素(そそ)との結婚は肩身の狭いものになり、養女の素錦の様々な意地悪にもなかなか対抗できない、という「ジレンマ」の面白みが加わりました。

そこが、「王女未央」の拓跋濬(たくばつしゅん)ルオ・ジン、「孤高の花」の楚北捷(そほくしょう)ウォレス・チョン、双方ともに父がなく(楚北捷は天涯孤独)恋愛の大きな壁がなかったことが「大きな違い」だったような気がします。

そして、「王女」にも「孤高」にもheroに固執するやたら悪知恵を働かせる悪魔のような女性が登場するのですが、それぞれになかなかのツワモノでした。
個人的には「孤高の花」の張蕓児(ちょううんじ)ドン・シャー、この人にNO1を付けたい。
「永遠の桃花」の素錦を演じたマギー・ホァンも良かったけど。
何がいいって悪役の最後のあがき、それでもそれでも食い下がるその「根性」が好きです。(嫌われてるんだから、もうそこらへんで引き下がろうよ、という声にもめげないそのメンタルの超強靭さ)
悪役が活躍してこその「歴史絵巻」です。(現代の常識を超えた極悪が歴史の中ではちょっと許される感じ?)

毒を盛るのは朝飯前、正室の息子たちを殺し、その心痛で病気になった正室の皇后も殺し、身ごもってもいないのに、妊娠したと偽り、しかも死産をしたていを装い、その死産も楚北捷のせいにする。
自分の身を守るために、「逃げよう」と言った父に自殺まで強要する、冷酷さ。
最後は、皇帝から許され、「自殺」をする(「追放」ではなく「死」というのがまた時代の残酷さなのでしょう)のですが、もう少し活躍させてほしかった。
面白いことに、「王女」「孤高」「永遠」全て悪女は、heroの幼馴染でheroを好きなのに見向きもされなかった、という設定でした。

マーク・チャオの夜華の魅力は、ルオ・ジンとウォレス・チョンにはなかった恋愛の策がつたないところがあり、落ち着き払った性格に似つかわない「かわいらしさ」があった気がします。
反対に言えば、ルオ・ジンとウォレス・チョンは最初から最後まで、一途な出来た男で、ある意味隙(すき)がなかったのです。
そんな人間的な(?)魅力が夜華、だったのです。

ヤン・ミー扮する白浅(人間の素素の記憶はなくなっている)を壁ドンして、白浅の胸の傷を見て白浅が師匠の墨淵に血を与えていた(そうすることで墨淵の死んだからだが守れる・・・らしい)ことを思い出し、急に嫉妬心にかられる。
なんて人間的!
そして、白浅を守るために(自分が行かないと白浅が行ってしまうから)、猛獣がいる秘境に墨淵を蘇らせる薬草(?)を取り行く。

インタビューでマーク・チャオが「ラブシーンではヤン・ミーと笑わないようにするのが大変だった」と言っていましたが、その世界観では美しいシーンになっています。

なんかかなりハマった私、です。