「ホットスポット」~じわじわくる面白さ~



結局やっぱり私には「マクチャンドラマ」は合わなかった。
「ホットスポット」ネットフリックスで観ました。
バカリズム脚本のなんとも言えないシュールなドラマです。
なんていうんだろう、このジャンルのドラマは韓国にも中国にもない、と思われる。

セリフがなんともリアル。全部アドリブじゃないかと思うほど自然。
すべてが日常的な風景、フツーのアパート、地味なビジネスホテル、昭和な感じの喫茶店、(フランチャイズの)ジョナサン、ありきたりなスナック、ロケは全部あるのもを使ったとか。
キラキラ要素が何もない中での、唐突な「宇宙人」
その「宇宙人」がフツーの眼鏡かけたおじさんだったってことがまた面白い。
十円玉を曲げるとかで「宇宙人」であることを証明したり、「誰にも言わないでよ」「大丈夫〇〇ちゃんは信用できるんです」、というシチュエーションが繰り返されたりとなんというかほのぼの感は満載なのですが、既視感のないドラマなのです。

市川実日子、平石紙、鈴木杏の3人が何とも言えない味を出しています。
女子の会話がまたリアルで「バカリズム」はどこでこういった会話ネタを仕入れるのだろう?と思ってしまう。

宇宙人的な振る舞い(走ったり、飛んだり、追跡したり)をした後に「温泉」に入ると疲れがとれて少し元気なる「高橋さん」(って高橋、という名字自体がおかしいだろう!、というツッコミを入れたくなる)
また東京03の角田晃広がまた上手い!
「言わないでよ」と言いつつ、告白後は宇宙人であることを疑ったり、反対に反応が薄かったりすると拗ねてみたりと、案外気持ちが小さいことも市川実日子の心のセリフで突っ込まれることも最高でした。

じわじわくる「おかしさ」がたまらない。
テーマがないままいくのかと思いきや、宇宙人とのハーフである高橋さんが生きるための「温泉」がある勤め先のホテル売却を阻止するという大きな目標に向かっていた、ということがかなりの後半に判明。

友人の輪が徐々に徐々に広がり、その中には「未来人」だったり、「超能力者」だったり、「タイムリーパー」だったり。(山本耕史の無駄遣いが最高だった)
静かな大団円(というか中団円)にまたホッとしたり。

同じクールで「御上先生」がやっていたのだけど、なんかなあ、ちょっと大きな風呂敷を広げた割には(日本の教育界を変える的な)、小さくまとまってしまった、って感じ。(不正が明らかになって良かったね、という小ささ)

受験生を刺し殺した娘さんの事件、その母(常盤貴子)が巻き込まれた不正入学の件と家庭不和(DVの父)とを結びつける設定に疑問が。
真面目な母、「不倫」とされた事件は、不正入学を笠にした性暴力だったことが判明、そして何故に人を殺してしまったのかがどうしても突拍子なく感じられてしまった。

そして日により小テーマがあり、教科書問題、生理の貧困、自分の気持ちを押し殺した「きょうだい児」問題。
なるほどと思う処もあったけど、「3年B組金八先生」がモンスターペアレントを発生させ、校内暴力増えた、という説はかなり根拠はない、とふんだ。

個人的には岡田将生、かっこよかった~~