「孤独のグルメ」~劇場版~

劇場版「孤独のグルメ」を視聴しました。
思いのほか面白かった!!!
テレビの企画からの映画という「壮大にせねば!」とか「奇をてらわなければ!」という意気込みだけが先行して、意欲は買うけどなんか違うよね、というテレビ版を全否定するような劇場版、そんなありがちな予想を覆した!!と思ったのは私だけでしょうか?

井之頭五郎のまま「冒険」をし、フラットな姿勢のまま「課題解決」に導き、最後は大団円と思いきや、「問題提示」のラストに「(笑)」があり、「孤独のグルメ」のテイストを損なうことなく、幕が閉じたと思いました。

テーマが明確で、「食べられなかった(機内食)グルメ」、「異国(フランスと韓国)のグルメ」、「郷土のグルメ」、「知らない食材はむやみに食べてはいけない孤島のグルメ」、「大勢の人、一人に見られながらのグルメ」、なかなか多岐にわたるシチュエーション設定も憎い!

あの「梨泰院クラス」で悪の権化の会長を演じたユ・ジェミョンを引っ張り出した、松重さん。
韓国入国審査官という役で、松重さん演じる井之頭五郎の食事を待つ、という設定での出演なのだけど、この人の演技がまたすごい。
ただ人の食事を待つ、というシチュエーションで人の良さを醸し出し、尚且つほのかにおかしくて笑える、という空気をつくれる、ユ・ジェミョン氏の類まれな演技力に敬意を表したい。
劇場版「孤独のグルメ」のクライマックスシーンであったといっても過言ではない。

「いっちゃん汁」なるものを求めて、スープが上手く作れなくて半ばやけになっていた店主(オダギリジョー)の気力を取り戻させ、そのスープがラーメンのスープになり店を再生、手伝っていた青年(磯村勇斗)が孤高のグルメ」のスタッフだったことがわかり、TV(「孤高のグルメ」)で紹介、オダジョーの店は大流行りになる、というオチ。

松重さんと同じ役を取り合った、という遠藤憲一、えんけんさんを引っ張り出し、「孤高のグルメ」のシーンを撮影、というセルフパロディーというオチも最高。(このシーンで一番(笑)をとったとか)

その放送を韓国のジェミョンさんが松重さんが食べた食堂(自分は見ていただけ)で家族と食事をしながら観る、というシーンも良かった。
あれあの人、「輸入雑貨商」って言ってたけど、俳優だったのか?というモノローグ付きで。(おおざっぱです)

ゆるさと明るさ、何と言っても、「いっちゃん汁」なるスープが「旨すぎる!」というオチ。
小団円の落としどころにまたうなる!
松重豊の才能に驚きました。