「和田家の男たち」~韓ドラとの違い~



「和田家の男たち」が12月10日に終わりました。
予想がついたとはいえ、和田秀平(佐々木蔵之介)の「大スクープ」は放送出来ずに、そして「退職」。
8回という短さの中でのエンディングは難しいのかもしれません。
多少の物足りなさは感じたのですが、「日本的」でもありました。

最近見慣れた「韓ドラ」との違いに驚きます。
①「悪」を最後まで追求しない日本対徹底追及の韓国
②「恋愛」はあっさりぼんやりの日本対強烈な告白とKISSと抱擁の韓国
③家族間のぶつかり合いを避ける日本対徹底的バトルを繰り広げる韓国
④挫折はさほどの痛手ではない日本対挫折の回は泣くわめく韓国

何と言っても、このドラマでの影の主役は、「段田安則」演じた和田寛。
昭和の遺物とでもいう、正義感と自信とこだわりの「おじいさん」。
色気もあり、中年とはいえ、それは魅力ある眼科医亜蘭(草刈民代)とも交際。
頑なさで、亜蘭とも息子秀平とも時にギクシャクするのだけど、秀平の義理の息子優(相葉ちゃん)が加わったことで、変化がおこります。

頑固おやじの影に隠れていた、ユーモアだったり、好奇心だったり、柔軟性が発揮され、実は「愛されキャラ」だったことが判明。
泣いたり笑ったり怒ったり、マンガのキャラクターのような、ゆるキャラのような、楽しい人だった。

そして、義理の息子を心配するエリートテレビマンの秀平も、優の一貫した安定感に癒され、視点が変わる。
プライド高いエリートな秀平の壁に穴が開き、「楽しむ」姿勢が現れる。
ラスト近くに現れた編集長役の堀内敬子との大人のお付き合いになったのも、優のもたらした「作用」だと思うのです。

二人の強烈なイケイケおやじたちのエネルギーを受け、優も一歩・二歩踏み出してゆく過程が良かった。
いろんなことをちょっとずつ挑戦してゆく相葉ちゃん、キャラとすごく合っていた気がします。

ステージではものすごく輝く相葉ちゃんなのだけど、俳優になると途端に人の良さを思いっきりにじませてしまう。

「和田家」の男たちでは、そのキャラクターを生かしつつ、昭和の二人(段田安則と佐々木蔵之介)の変化を起こさせた、「透明化学ビーム」(?)だったと思う。
透明なのだけど、人と人を結ぶ「粘着作用」があり、「温感」があり、何より風景に「光」を放つ「明るさ」がありました。

昭和のおやじたちが選んだ「別居結婚」、男たちだけでの「食卓」、時折もたらされる「色恋」。
徹底した「正義」は貫くことはできなかったけど、「適度」な信念と一筋の「希望」と、言ってみれば「和をもって尊しとなす」「憲法十七条」的な結末は、これぞ「日本!」ということを表したのかもしれません。