「愛の不時着」の最終話をまとめたくない気持ち。
6月から続いている私の「栄養剤」のような(ごほうびの)「スイーツ」のような・・・・・・
今まだ4巡目なので、この巡礼がいつまで続くかわからないのですが、とりあえず一旦16話のまとめをしようと思った次第です。
いい終わり方だったと思います。
ハッピーエンドはオープニングタイトルの映像から想像がついたと言えばついたけど。
なんだかんだで、政治総局長のジョンヒョク父が上手く立ち回ったということでしょうか。
北で捕らえられた南の人との交換ということで、ジョンヒョクたちは北に帰ることが決まりました。
人の好い国家情報院のキム課長は、セリオンマに連絡、セリにも伝わります。
最初は見送ることを躊躇していたセリですが、オンマからジョンヒョクがセリの意識不明から病院に居て、意識回復後に立ち去ったと聞き、「会いたい。連れて行って」と頼みます。
国境での別れは、クライマックスのクライマックス。
こんなに思い合う二人を分けるものが、妻子ある身とか不治の病があるとか身分の違いとかではなく、ただの「緯度」だなんて・・・・・
でも何よりこのドラマが画期的だったことは、セリが(つまり女性側)愛のためにすべてを捨てる、という選択が一切なかったこと。
ジョンヒョクが、セリの家で「このままここにいて君と暮らしたい。君が歳をとるのをそばで見ていたい」と言ったセリフはあったのですが、セリからはただの一度も「すべてを捨ててあなたと一緒に」という言葉は発せられなかった。
セリが持っている「キャリア・財産」を手放すという発想が一ミリもなかったことに感動します。
そして、そのセリが持っているものを含めて全て守ろうとしたジョンヒョクが「新しい男」だったことがこのドラマの素晴らしさ、なのです。
脚本の見事さだと思います。
ジョンヒョクからのショートメールがセリに届くようになります。(教えたキム課長のナイスジョブ!!)
その(ジョンヒョクからの)言葉に支えられセリは仕事だけでなく、自分自身を大切にすることにも努めます。
そして、ジョンヒョクから届いた種が花を咲かせたとき、「その花(エーデルワイス)が咲くところで会おう」、という最後のメッセージが届くのです。
一度目は失敗、二度目のスイスでのパラグライダーの着地後についに再会します。
「乗る電車を間違えた」というジョンヒョクのセリフは、平壌へ行く途中の野営の際に、セリが言った「間違った電車が時に目的地に運ぶ」
Sometime the wrong train takes you to the right station
(インドの諺)
これを受けて言ったセリフです。
あの時は、ジョンヒョク自身がピアニストをあきらめて軍人になったこと「思い描いていた姿ではない」という言葉に対して、セリが言った「間違った電車~」だったのですが、諺の正しさをセリに伝えた、ということなのでしょう。
軍人をやめて音楽の世界に戻れた、そしてセリに会えた、その究極のゴールに辿り着けた、という意味だと思いました。
その後、夏の2週間セリとジョンヒョクは逢瀬を楽しむわけです。
なんという究極の「バカンス」
親族親戚義両親等の付き合いもいらず、近隣周辺(マスコミも含む)の目もなく、ただ二人の世界を楽しむ2週間。
これ以上の幸福はないという「愛」の形、だと思いました。