NHK朝ドラ「まんぷく」が佳境を迎えています。
テキトーな視聴(何度も言う)だけど、(なんとなく)前向きになれるだけあって視聴率も好調のようです。
何といっても、このドラマでの功労者は「松坂慶子」
「私は武士の娘です」が印象的なフレーズですが、言いたい放題、やりたい放題で、チャーミングなおばあちゃまを演じていて、松坂慶子の再評価にもつながっています。
割といい人ぞろいの朝ドラの中での「リアル」を背負っています。
それで言えば、あと一人は世良を演じている桐谷健太。
調子の良さとしたたかで、やり手な商売人をやっぱり憎めないキャラクターで演じています。
松坂慶子のお母さんは、何か自分に都合が悪くなるとブツブツ文句を言い、追い詰められると「家出」し、ふて寝、泣き脅し等好き勝手な人だけれど、憎めない。
「愛の水中花」の頃の(1979年)26歳、超絶美しかった主演女優からの降り方がなかなか上手だった、と思います。
この方はものすごい演技派、なわけではないのですが、「なんでもやる」的な精神を感じるし、何かものごとにこだわらない「おおらかさ」(ふっくらしたし)が愛されるのかなあ、と推測します。
思い返すと、「おくさまは18歳」「なんたって18歳」でものすごくキレイな女子高校生(なんたってでは新人バスガイド役)なのに、主演の岡崎友紀のライバル役で、(小学生の)子ども心にもちょっと不思議だったのです。
(何が不思議って、完全に嫌われ役で意地悪する役、松坂慶子のほうが断然綺麗なのに、なぜか岡崎友紀が圧倒的にモテル役だった)
その後の松坂慶子の躍進は岡崎友紀を超えるのだけれど、岡崎友紀は女優というより、タレント、そして社会的な活動・趣味等にシフトしているようです。
「おくさまは18歳」の岡崎友紀はバツグンの演技力で、ショートカットがよく似合い、あの若さでコメディエンヌと言えるくらい魅力的な女優さんでした。
そのドラマの夫役だった故石立鉄男が「これまでに会った女優さんの中で一番感性が良かった」と言ったとか。(Wikipediaより)
なんとなく思うのは、自身の天性の勘の良さを違った面で使うことを選んだのかなあ、ということです。
つまり、「女優業」にこだわることがなかった、ってことです。
2人の分かれ道がどこかにあったのです。
岡崎友紀の演じるよりも「企画・運営」への興味が出てきた、ということは理解できるような気もします。
経済的基盤があり、好きなことができたということも考えられます。
反対に松坂慶子には「働く理由」があり、結婚後もそれは変わらなかったってこともあるのかも。
分岐点は「経済」というシンプルな答えなのかも知れません。