「太王四神記」 ~イケメン俳優の残り方~



完走(完全視聴)できるかどうかわからないのですが、「太王四神記(2007年のドラマ)」を観はじまりました。
2008年の終わりに済州島に旅行でドラマのロケ地「パークサザンランド」に行ったのですが、その施設は2012年には閉鎖されているようです。
記憶では2008年の12月でもさほどの人出もなかったような・・・・・
わざわざこんなにすごいロケ地を作ったのは、よほど儲かる気がしていたのでしょう。

それはともあれ、このドラマを観て、改めてヨン様のオーラを感じました。
ものすごく背が高いわけではないのに(180cmで韓国俳優のレベルではフツー、ルーザーではないけど)古代衣装を着ていてもわかる肩幅の広さ、胸の厚さ。
手足の長さ、バランスの良さ。時代が高句麗なのでメガネはなしなのですが、それもまたいい感じです。
何よりこの方の魅力は「品のよさ」です。まさにザ・王様っていう感じ。
低くて甘い声も素敵です。

このドラマを最後に俳優というよりは、会社経営者になってしまったようですが、あと2.3本は主役でドラマが見たい、できるんじゃないか、と思います。
この人は、ものすごく繊細で、ものすごく生真面目で、ドラマ収録が終わるとバタっと倒れるように体調が悪くなり、休養をとらないといけなくなるようです。
この「太王四神記」では、手を怪我して、肩かクビを痛めて、手術までした経緯があったのです。
恐らく主役しかできないタイプの役者です。
これから尻すぼみになるであろう俳優人生を考え「ビジネス」を選んだのあれば、ものすごく真っ当で賢い選択だったのかもしれません。
「感覚」よりも「思考」の人であるヨン様がビジネス道を極めるのはたやすいことだったのでしょう。

今の主役をはる男優は(日本では)、器用に変身するタイプな気がします。
言ってしまえば、オーラのある人よりも「演技力重視」の時代です。
大河の主役だって福山雅治の時代(2010年の龍馬伝で主演)ではなく、地味だけど演技のできる鈴木亮平が選ばれ、次の主役は中村勘九郎と阿部サダヲ。
その次は長谷川博己、冒険するよりも地道で安心なキャストにしたいかがよくわかります。

昭和の直球勝負「大映ドラマ」、ザ・青春の「俺たちの旅」、バヒューン&ドキューンの「太陽にほえろ」「西武警察」のようなドラマは過去の遺物になり、視聴者の視線はかなり厳しくなり、演技のない俳優には容赦のない「大根・棒」という辛辣なコメントがつけられる。
役者として自分の幅を決めないで、なんでもやる、なんでもできる、というタイプが求められている、そんな気がします。

ザ・プリンス、ザ・キングよりも、「ヘタレ」で「ダメ男」な感じでしょうか。
「イケメン枠」は取りあえず一世を風靡するけれど、次々と旬が入れ替わり常に飽和状態。そこから頭一つ出るには、「何か」が必要でそこが勝負所になるわけです。
ラブストーリーの主役の時はあっという間に過ぎ去り、何かで自分の魅力をアピールしないと忘れ去られるわけです。

その点(私の好きな)岡田将生、例えば「ゆとりですがなにか」あたりのちょいエキセントリックで、ヘタレな男子役、ぴったりとはまったと思うのです。
あんなに美形なのに、できるじゃん、という立ち位置、彼自身も天然らしいのですが、「イケメン俳優」の「行く末の光」になるかもしれません。