香港への郷愁



5月が今日で終わります。
コロナで一変した生活がこれから少しづつ日常を取り戻してゆくのでしょうか。
いずれにしても、今までような無防備な生活は永久に去った気がします。(もちろん、ワクチンができてコロナが撲滅できればという希望は捨てられないけど)

それにしても、香港への「国家安全法」がさらに気分を重くします。
中国に対する反体制の言動を取り締まるこの法律は「一国二制度」が崩壊したことを意味するのだと思います。
デモの参加も国家批判の言論も全て「犯罪」になり、逮捕に、そして「前科」になるってことでしょう。

簡単に言ってはいけないのだろうけど、英国領だったほうが良かったんじゃないか?とまで思ってしまう。
「恋する惑星」の映画のようなあんな香港はもう見られないのだろうか。
あの若き金城武とトニー・レオンが香港を魅力たっぷりに見せてくれた。
おしゃれな都市と混沌とした裏通り、「ごった煮の美味しさ」「スタイリッシュとカオス」が堪能できる映画でした。
金城武がかわいいし、トニー・レオンの警官の制服がかっこよかった。
そして、フェイ・ウォンの「夢中人」が最高ううううう。

ジャッキー・チェンは早々に「国家安全法」を支持するという署名を集めたとか。(二千人程度)
ウォレス・チョンも連ねているのかしら?
反対する立場でいれば、中国が資本のエンタテイメントから一切の関わりが断たれるからだ、と説明もありました。
しかたがないとはいえ、名前を見たくないような気がします。

人口13億の市場は捨てられない、それはすごくわかります。
今更なのだけど、香港の人口が約750万ということにびっくりしました。
東京が約1400万、大雑把に言って2倍に近い。

そりゃ、中国制作の映画・ドラマにでたいわけです。
香港には一定の富裕層がいても、市場の限界があります。
数は何よりも重要です。(ひとり1円集めても13億になるってすごい!)

ウォレス・チョンが台湾から中国へ目指したのは、先見の明があったと前に書いたけれど、ちょうど香港返還の時期で、香港映画ブームの終焉と被るのかもしれません。
いずれにしても、香港一国の資金でエンターテイメントを次々と生み出すことは不可能のようです。
となると、政治政策よりも、実をとるジャッキー・チェンのような俳優がフツーなのはしかたがない、とも思えます。

習近平、おそるべし。
「天安門」で民主政権が誕生していれば、と内政干渉をしてしまう。