「あの日の君と」
再会の二人が愛を蘇らせる、という「ありきたり」な話をここまで面白く出来たのは、なぜだろうとずっと考えています。
惹かれたのは、何と言ってもサン・ヤンの『しつこいほどの・・・』いえ、『無償の愛』
高校時代のサン・ヤンはストレートにイーファンのknightよろしく影ではなく、日向で彼女を助けていた。
イーファン父の死にも寄り添い、変な噂を流す男子に立ち向かい、イーファンのバレエの自主練の場所まで確保する。
手痛く振られてからは、徹底的に影だ。
徐々に(密かに)イーファンの住んでいた街に行ってたことがわかる。
再会後は偶然を装い、居合わせる方式にシフト。
まずは、イーファンとの『同居』にこぎつける。(友人ハオアンの元カノがイーファンとのルームシェアを解消して、同居人を探していることをハオアンから聞いた)
そして、イーファンの留学していた友人シャン・ランの存在を知ると、スーチャオとの3人の約束に無理やり入り込み、シャン・ランがイーファンに車の助手席に座らせるのを阻止し、自分の足が長いからと言いながら助手席に座り込む。(バックミラーを動かしシャン・ランがイーファンを見るのも阻止)
イーファンの会社に研修生として入ったチョンユンの猛アプローチのお酒の席にひっそりと待ち伏せ。
酔ったふりをしているチョンユンを自ら抱えて寮に運び、イーファンから遠ざける。
香港出張中にチョンユンの声を聞き焦り、友人のダン・ジャシュを送る(無理やり飛行機を予約)テイで空港でイーファンを見つけるべく待機、イーファンをチョンユンから引き離す。(たまたま友人を送ってきたから空港にいると言い張る)
自信たっぷりな普段のサン・ヤンだけど「もう一度イーファンに拒絶されたら今度こそ立ち直れない」という思いがあリ、再会したイーファンに高校時代のようなストレートな『好意』を表現することができない。
どうにかして、イーファンから『告白』させようという目論見を抱く。
酔った時にボロッと言った(イーファンの夢遊病からのサン・ヤンに抱きつく、ベッドに入る等の)このあやふやな問題が解決できるまで他の誰とも遊んで欲しくない、と。自分(サン・ヤン)が可哀想だ、と。
こんな言葉を聞いても、(サン・ヤン)の好意を感じないある意味超鈍感なイーファン。
手痛くサン・ヤンを傷つけたこと、身内が誰も自分を救ってくれなかった過去も重なり自己肯定感が低い、ということもあるのでしょう。
もどかしい関係が上手に描かれています。