「愛の不時着」~15話はキム課長に注目~



15話の冒頭、チョ・チョルガンとジョンヒョクの対決が終わります。
チョルガンを演じたオ・マンソクさんも上手だったなあ。
悪役の意味を正しく理解していて、これでもか!!の憎まれ役を引き受けてくれた。

最後に言った、兄のムヒョクの死が白日の下にさらされなかったのはジョンヒョクの父自身が潔白でなかったこと、北に帰ってもジョンヒョクの場所はないこと、その言葉はジョンヒョクを追い詰めます。

ここら辺が韓ドラらしさだと思いました。
今わの際でさえ「悪役」に徹するってことです。
チョルガンの徹底したジョンヒョクへの「嫉妬心」、恵まれたものへの憎しみを最後まで貫いたチョルガンでした。

呆然としているところをキム課長をはじめ国家情報局に捉えられます。

15話の注目すべき人物は、ジョンヒョク(と5人)を調べる国家情報院のキム課長を演じたユ・ジョンホさんだと思います。
ジョンヒョクのヒョンビンと並んでも引けをとらない高身長に人の好さそうなお顔とスーツを完璧に着こなした知的な感じ。
何より、鋭さを持ちながらも(ドラマの性格上韓国の良心を見せる)心優しく最後まで「北の人たち」に寄り添う人でした。

韓国での6人の行動を調査した資料を見ながら、全く怪しいところがないと確認していゆくシーンは笑えます。
ジョンヒョクは子供の風船を取ってあげたり、坂を上るお年寄りの台車を押したり、転がってきたベビーカーを捕まえたりとキム課長が「模範市民賞の選考か?!」と言ってしまうほどの人の好さ。

他の6人の行動も、チキンを食べたり、ネットドラマ、ネットゲームの購入ぐらいの小さいもので、怪しさゼロ。

ただジョンヒョクはセリを巻き込むまいと、「セリを北に連れてゆくつもりできた」との一転張りで、セリがジョンヒョクを匿った事実を認めない供述を繰り返すのみ。
二人を合わせるという事態になります。
顔を合わせようとしないジョンヒョクに、セリは自分を見てと言い、人生を棒にふるなと、本当のことを言ってほしいと伝えるのですが「一緒にいて情も移ったが、君を利用しただけだ」と冷たく言い放ちます。

セリはジョンヒョクの意思の硬さと自分の体力の限界を感じて席を立ち、廊下に出て倒れます。

セリが倒れたことを聞かされ、走るジョンヒョク。
どうにかして、セリを潔白なままにしたい、彼の気持ちが痛いほどわかります。

結局セリの病院に駆けつけるジョンヒョク。
許可したキム課長、やっぱりすごくいい人!!
最終的にはセリの目覚めるのを待って立ち去ります。

セリは夢の中で、同じことが起こるとわかっても、やはりパラグライダーをして、ジョンヒョクと出会う道を選ぶと思う。
ジョンヒョクは瀕死のセリを見つめながら、過去に戻れるなら君が僕と出会わない道を選ぶ、と。

タイトルバックの後のエピソード、セリとジョンヒョクが映し出され、体の傾け方、ジョンヒョクのセリとのミラーリング現象(同じポーズをとることらしい)、異性と出会った時の視線と動作の遮り方、「恋に落ちたときの行動」と分析結果が出ます。

「全く」とつぶやくキム課長。分析しなくても見ればわかるだろう、と。
雨の中、傘をセリに傾けるジョンヒョクの肩に雨がしたたるシーンが素敵。
全身から愛がみなぎっているのです。